家庭での急性発作対応

急性発作の対応には、家庭での対応と医療機関での対応がある。家庭での対応には、早期からの治療介入による発作のさらなる増悪防止、適切なタイミングでの医療機関受診の判断が含まれる。特に2歳未満では、症状の進行が年長児に比して速い傾向があり、脱水にもなりやすく、より早期の対応が重要である。2歳以上での対応を図3-1に2歳未満での対応を図3-2に示す。

図3-1 喘息発作時の家庭での対応(家族への伝え方)

図3-2 急性発作時の家庭での対処(2歳未満)

1.家庭での対応

家庭での対応は、「強い喘息発作のサイン」の有無に注目し、それに従って対応を判断することを指導する。「強い喘息発作のサイン」は大発作や呼吸不全、あるいはそれらに進行する可能性の高い症状である。2歳未満でも概ね大発作に相当するがこの年齢特有の症状もある。発作が起きたときに頓用薬がない場合には、原則として医療機関を受診する。

1)「強い喘息発作のサイン」がある場合の対応

直ちに医療機関を受診する。著明な呼吸困難や意識レベルの変化(意識低下あるいは興奮)がある場合には、救急車を要請する。吸入β2刺激薬がある場合には、医療機関までの道中で20 ~ 30 分毎に3回まで吸入してもよい。

2)「強い喘息発作のサイン」がない場合の対応

頓用のβ2刺激薬(吸入あるいは内服)を行い、吸入であれば15 分後に、内服であれば30 分後に、その効果を評価する。

①頓用のβ2刺激薬への反応が良好な場合

症状:消失
対応:そのまま様子を見る。β2刺激薬の吸入、内服、貼付のいずれかを数日間使用する。再度発作を繰り返す場合には、早めに主治医を受診する。

②頓用のβ2刺激薬の効果が不十分な場合

症状:改善するが、残存している
対応:β2刺激薬の吸入が可能な場合には、1~2時間後に再度吸入を行う。内服あるいは貼付のβ2刺激薬の併用は可能である。2回目の吸入後も呼吸困難や努力呼吸が残存している場合、あるいはβ2刺激薬の吸入がなく呼吸困難が残存している場合は医療機関を受診する。

③頓用のβ2刺激薬の効果が認められない場合

症状:不変か、むしろ増悪している。
対応:呼吸困難が明らかな場合には直ちに医療機関を受診する。受診に時間がかかる場合、β2刺激薬の吸入があれば20 分~1時間後に再度吸入を行ってもよい。呼吸困難が軽度な場合には1~2時間程度は改善するかどうか様子を見てから対応してもよい。

2.喘息児とその家族に対する指導のポイント

1)症状観察

「強い発作のサイン」についてよく説明する。動作、会話、顔色、日常生活、食欲、睡眠などから発作強度を見分けられるようになっていることが望ましい。特に、喘鳴の強弱だけでは発作強度は不明な場合があることは十分に説明する。

2)発作時の頓用薬

頓用薬として適切であるのは下記薬剤である。
(1)短時間作用性β2刺激薬吸入:最も即効性があり有効である一方、吸入方法の得手不得手で効果は大きく変わる。吸入液の場合、クロモグリク酸ナトリウム(DSCG)液もしくは生理食塩水との混合液で吸入する。使用量は、乳幼児で0.1~0.3mL程度、学童で0.3~0.5mLである(注:小児適応は0.1~0.3mLである)。加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ドライパウダー定量吸入器(DPI)は1回につき1~2噴霧を吸入する。
(2)経口β2刺激薬:即効性は吸入薬に劣り、効果も吸入薬に劣るとの報告もあるが、服薬自体は吸入に比べれば確実である。一方、テオフィリン徐放製剤、ツロブテロール貼付薬、全身性ステロイド薬(内服)は、いずれも即効性がなく、家庭での単独の発作時頓用薬としては不適切である。

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