第2章 免疫学的背景の知識

[ 要 旨 ]

  1. 1経口免疫寛容の破綻は食物アレルギーの発症メカニズムの一つと考えられている。
  2. 2IgE依存性反応では、アレルゲン特異的IgE抗体が誘導され、マスト細胞上の高親和性IgE受容体に結合して
      感作が成立する。
  3. 3IgE依存性反応ではマスト細胞上の複数のアレルゲン特異的IgE抗体とアレルゲンの結合によりIgE抗体が架橋され、
      脱顆粒によるケミカルメディエーターの放出と脂質メディエーターなどの産生が誘導される。
  4. 4乳幼児期の即時型食物アレルギー患者の多くは成長とともに自然耐性を獲得する。その機序として、成長による
      消化管の消化機能、物理化学的防御機構、経口免疫寛容の発達などが考えられている。
図2-2 IgE依存性食物アレルギーの機序

IgE依存性食物アレルギーでは、食物アレルゲン特異的IgE抗体が産生され、マスト細胞上の高親和性IgE受容体に結合して感作が成立する。複数の食物アレルゲン特異的IgE抗体と食物アレルゲンの結合によりIgE 抗体が架橋され、脱顆粒によるケミカルメディエーターの放出と脂質メディエーターなどの産生が誘導され症状が誘発される。

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