第2章 疫学

要旨

  1. わが国の食物アレルギーの有病率は乳児で約5~10%、幼児で約5%、学童期以降が1.5~3%と考えられる。
  2. 即時型食物アレルギーの主要原因食物は鶏卵、牛乳、小麦であるが、年齢別にその頻度は異なり、学童期では甲殻類、果物類などが増加してくる(図2-2表2-1)。
  3. 即時型食物アレルギーでは皮膚症状の誘発率が非常に高いが、ショックも誘発され得る(図2-3)。
図2-1 年齢別即時的食物アレルギー患者数

我が国の即時型食物アレルギー患者は0歳をピークに加齢とともに漸減し、その多くは乳幼児期に発症する。しかし学童期以降、成人になっても数こそ減少するものの、持続して一定の発症数を認める。

図2-2 原因食品の内訳(対象は食物摂取後60分以内に症状が出現し、かつ医療機関を受診した患者)

我が国の即時型食物アレルギーは、鶏卵、牛乳、小麦が3大主要原因食品で、全体の約60%を占める。以下、甲殻類、果物類、ソバ、魚類が続き、大豆までの上位10食品で全体の90%を占める。即ち、特定の限られた種類の食品で我が国の即時型食物アレルギーのほとんどの原因が説明できるということである。

表2-1 年齢別原因食品

各年齢群において5%以上占めるものを記載している。

即時型食物アレルギーの新規に発症する原因食物の頻度は年齢別に大きく異る。鶏卵、牛乳は乳幼児期に極めて多いが、その後減少し、代わって甲殻類、果物類、魚類、ソバ、ピーナッツなどが増加してくる。また小麦は乳児期から成人まで一定の割合で認められる。

図2-3 即時型食物アレルギーの誘発症状

即時型食物アレルギーの誘発症状は多岐にわたり、アナフィラキシー症状の誘発リスクも高い。特に皮膚症状(蕁麻疹、紅斑など)が極めて多く認められる。また呼吸器症状やショック症状など、生命を危機的な状況に陥らせることも少なくない。

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