第11章 食物アレルギーの発症と予知と予防

要旨

  1. 食物アレルギーのハイリスク児のスクリーニングにはアレルギーの家族歴が最も有用とされている。
  2. 食物アレルギーの発症予防のために妊娠中および授乳中に母親が食物除去を行うことは推奨されない。偏った食生活をしない。
  3. 海外では母乳栄養が不可能なときにはハイリスク児に限ってアレルギー発症予防のための栄養法として低アレルゲン化ミルクの使用が推奨されている。
  4. わが国の「授乳・離乳支援ガイド2007」では、離乳食の開始時期を生後5〜6か月頃を適当としており、これより早めたり遅らせることは推奨されない。
表11-1 食物アレルギー発症予防のための栄養法に関する指針の比較
    (食物アレルギー発症予防はすべてハイリスク児を対象とする)

AAP: American Academy of Pediatrics; ESPACI: European Society for Pediatric Allergology and Clinical Immunology;
ESPGHAN: European Society for Pediatric Gastroenterology, Hepatology, and Nutrition; SP-EAACI: Section on Pediatrics, European Academy of Allergology and Clinical Immunology; JPGFA: Japanese Pediatric Guideline for Food Allergy(本ガイドライン)

  1. 最新の欧米・日本のガイドラインは、妊娠中に母親が食事制限をすることを推奨していない。また、妊娠中に特定の食品の積極的な摂取も奨めていない。
  2. 授乳中の母親・児の食事制限は推奨されない。ハイリスク児への低アレルゲン化ミルクは日本では医師の指導の下に行うとしている。
  3. 離乳食は生後5〜6か月の開始が奨められる。
  4. 母乳栄養が混合栄養に比べてアレルギー予防に勝るエビデンスはない。

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