学会について

利益相反(COI)指針

日本小児アレルギー学会「医学研究の利益相反(COI)に関する指針」

序文
日本小児アレルギー学会(以下、本学会)が主催する学術集会や出版物などで発表される研究成果には新たな診断・治療・予防法開発などの臨床研究や臨床試験(ここでは両者を併せて臨床研究と呼ぶ)が多く含まれ、これらの研究の推進には製薬企業などとの共同研究、受託研究、奨学寄付金、寄付講座などの産学連携活動が基盤となっているものも多い。産学連携活動は教育・研究の活性化や経済活動の活性化を図る上で重要な活動であり、本学会が小児アレルギー疾患に関する臨床研究を進め、その成果を社会に還元する上でも、重要な役割を果たしている。
一方、産学連携による臨床研究は公的な存在である学会が特定の企業の活動に関与することになり、その結果、公的な学術団体およびそこに主体的に参加する会員としての責任と、産学連携活動に伴い生じる学会や会員個人が得る利益とが相反する状態、すなわち利益相反(conflict of interest: COI)状態が不可避的に発生しうる。臨床研究は人の生命に直結しうるものであり、臨床研究に携わる者においてこの利益相反状態が深刻な場合には、患者や被験者の人権や生命の安全が損なわれたり、研究の方法や結果の解釈がゆがめられたりするおそれもあることから、公的団体である本学会およびそこに参加する個々の会員には、この利益相反状態を適切に管理することにより、学術団体としての公共性を保った上で産学連携活動を適切に推進することが求められる。また、臨床研究以外に、生命科学研究や基礎医学研究に属する研究であっても、臨床研究への発展を目指して産学連携で行われる研究は、臨床研究と同様、利益相反状態が適切に管理されるべきものであると考えられることから、本学会は、予防、診断および治療方法の改善、疾病原因および病態の理解の向上ならびに患者の生活の質の向上等を目的として行われる産学連携の研究であって、生命科学研究や基礎医学研究から人間を対象とする臨床医学研究(個人を特定できる人由来の材料および個人を特定できるデータに関する研究を含む)、臨床試験までの研究を医学研究と定義し、利益相反に関する指針を策定すべき対象と規定する。

I.目的
小児アレルギー疾患の発症予防・診断・治療に関する研究の実施や、その成果の普及・啓発などの活動を、中立性と公明性を維持した状態で適正に推進させることは、本学会に科せられた社会的責務である。同時に、人間を対象とする医学研究の実施にあたっては、被験者の人権・生命を守り、安全に実施することに格別な配慮が求められる。
   本学会は、医学研究における産学連携活動の推進にあたり、医学研究の高度な倫理性、中立性、公明性を維持し、学会発表等におけるその成果の透明性を高めることにより、社会に対する説明責任を果たし、学会活動の社会的信頼性を保つために、会員などの利益相反状態を適切に管理する上での基本的な考え方を示す「医学研究に係る利益相反指針」(以下、本指針と略す)を策定する。ここで言う医学研究とは、臨床研究のみならず、臨床研究への発展を目指して産学連携で行われる生命科学研究や基礎医学研究に属する研究を含む。これらの研究はその成果が人間の生命に直結しうる研究であり、とりわけ高い倫理性が求められることから、その実施にあたっては利益相反状態のより適切な管理が必要である。本学会は、本学会の会員などが本学会の関係する各種事業に参加し発表する場合、本指針を遵守し、自らの利益相反状態を自己申告によって適切に開示することを求める。

II.対象者
利益相反状態が生じる可能性がある以下の対象者に対し、本指針が適用される。

  1. 本学会会員
  2. 本学会が主催、共催する学術集会、講演会などで発表する者
  3. 本学会が主導する治験等の参加者
  4. 本学会の役員(理事長、理事、監事)、学術集会担当責任者(会長など)、各種委員会の委員長、特定の委員会(学会誌編集委員会、診療ガイドライン策定に関わる委員会、社会保険委員会、規約委員会、利益相反委員会、研究推進委員会など)の委員、特定の委員会に関連した作業部会(小委員会、ワーキンググループなど)の委員
  5. 本学会の事務職員
  6. 1〜4の対象者の配偶者、一親等の親族、または収入・財産を共有する者

III.対象となる活動
本学会が行うすべての事業活動に対して本指針を適用する。

  1. 学術集会、講演会(年次大会含む)などの開催
  2. 学会機関誌、学術図書などの発行
  3. 研究および調査の実施
  4. 研究の奨励および研究業績の表彰
  5. 関連学術団体との連絡および協力
  6. 国際的な研究協力の推進
  7. その他目的を達成するために必要な事業

 特に、下記の活動を行う場合には、特段の指針遵守が求められる。

  (1)本学会が主催する学術集会、講演会(以下、講演会など)などでの発表
  (2)学会誌などの刊行物での発表
  (3)診療ガイドライン、マニュアルなどの策定
  (4)学会が実施する調査、治験への参加
  (5)臨時に設置される調査委員会、諮問委員会などでの作業

IV.申告すべき事項
対象者は、個人における以下の1〜9の事項で、細則で定める基準を超える場合には、その正確な状況を本学会理事長に申告するものとする。申告された内容の具体的な開示、公開の方法および「医学研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とする団体」については別に細則で定める。

  1. 医学研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とする団体の役員、顧問職、社員などへの就任
  2. 医学研究に関連する企業の株の保有
  3. 医学研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とする団体からの特許権などの使用料
  4. 医学研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とする団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)
  5. 医学研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とする団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料
  6. 医学研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とする団体が提供する医学研究費(治験、臨床試験費など)
  7. 医学研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とする団体が提供する研究費(受託研究、共同研究、寄付金など)
  8. 医学研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とする団体がスポンサーとなる寄付講座
  9. その他、医学研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とする団体からの上記以外の旅費(学会参加など)や贈答品などの受領

Ⅴ.利益相反状態との関係で回避すべき事項
医学研究の遂行やその結果の公表、診療ガイドラインの策定などは純粋に科学性、倫理性、中立性、公明性を保って行われるべきである。本学会の会員などは、医学研究の実施にあたって、その研究への資金提供者・企業の利害や恣意的な意図に影響されてはならず、下記に示すような研究の中立性、信頼性に対する影響を避けられないような行為等をしてはならない。

  1. 医学研究に関する利益相反対象者の全てが回避すべき事項
     1) 臨床試験被験者の仲介や紹介に係る報償金の取得
     2) ある特定期間内での症例集積に係る報償金の取得
     3) 特定の研究結果に対する成果報酬の取得
     4) 研究成果の学会発表や論文発表の決定に関して、資金提供者・企業が影響力の行使を可能とする契約の締結
  2. 医学研究の試験責任者が回避すべき事項
    医学研究(臨床試験、治験を含む)の計画・実施に決定権を持つ総括責任者には、重大な利益相反状態にあると社会的に判断される下記1〜6に該当することのない研究者が選出されるべきであり、また選出後もその状態を維持すべきである。
    1) 医学研究を依頼する企業の株の保有
    2) 医学研究の結果から得られる製品・技術の特許料・特許権などの取得
    3) 医学研究を依頼する企業や営利を目的とした団体の役員、理事、顧問などへの就任(無償の科学的な顧問は除く)
    4) 当該医学研究に関係のない学会参加に対する資金提供者・企業からの旅費・宿泊費の支払い
    5) 当該医学研究に要する費用を大幅に超える金銭の取得
    6) 当該医学研究に要する時間や労力に対する正当な報酬以外の金銭や贈り物の取得

 但し、1)〜6)に該当する研究者であっても、当該医学研究を計画・実行するうえで必要不可欠 の人材であり、かつ当該医学研究が医学的に極めて重要な意義をもつような場合には、その判断と措置の公平性、公正性および透明性が明確に担保されるかぎりにおいて、当該医学研究の責任医師に就任することができる。

Ⅵ.実施方法

  1. 会員の責務                                                             会員は医学研究成果を学術講演などで発表する時には、当該研究実施に関わる利益相反状態を本学会の細則にしたがい、所定の書式で適切に開示するものとする
  2. 役員などの責務                                            本学会の役員(理事長、理事、監事)、学術集会・講演会担当責任者(会長など)、各種委員会委員長、特定の委員会委員、および特定の委員会に関連する作業部会の委員は、本学会に関わるすべての事業活動に対して重要な役割と責務を担っており、当該事業に関わる利益相反状況については、就任した時点で所定の書式にしたがい自己申告を行なうものとする。
    また、就任後、新たに利益相反状態が発生した場合には規定にしたがい、修正申告を行うものとする。
  3. 利益相反委員会の役割                                          利益相反委員会は、本学会が行うすべての事業において、重大な利益相反状態が会員に生じた場合、あるいは、利益相反の自己申告が不適切で疑義があると指摘された場合、当該会員の利益相反状態を管理するためにヒアリングなどの調査を行い、その結果を理事長に答申する。
  4. 理事会の役割                                             理事会は、会員などの研究発表等や、役員などの本学会の事業遂行において、重大な利益相反状態が生じた場合、あるいは利益相反の自己申告が不適切であると認めた場合は、利益相反委員会に諮問し、その答申に基づいて、改善措置などの指示や妥当な措置を講ずる。
  5. 学術集会・講演会担当責任者の役割
    学術集会・講演会の担当責任者(会長など)は、学会で医学研究の成果が発表される場合には、その実施が本指針に沿ったものであることを検証し、本指針に反する演題については発表を差し止めるなどの措置を講ずることができる。この場合には、速やかに発表予定者に理由を付してその旨を通知する。なお、これらの措置の際に上記担当責任者は利益相反委員会に諮問し、その答申に基づいて改善措置などを指示することができる。
  6. 編集委員会の役割
    学会誌編集委員会は、学会機関誌などの刊行物で研究成果の原著論文、総説、診療ガイドライン、編集記事、意見などが発表される場合、その実施が本指針に沿ったものであることを検証し、本指針に反する場合には掲載を差し止めるなどの措置を講ずることができる。この場合、速やかに当該論文投稿者に理由を付してその旨を通知する。本指針に違反していたことが当該論文掲載後に判明した場合は、当該刊行物などに編集委員長名でその旨を公知することができる。なお、これらの措置の際に編集委員長は利益相反委員会に諮問し、その答申に基づいて改善措置などを指示することができる。 
  7. その他
    その他の委員長・委員は、それぞれが関与する学会事業に関して、その実施が本指針に沿ったものであることを検証し、本指針に反する事態が生じた場合には、速やかに事態の改善策を検討する。なお、これらの対処については利益相反委員会に諮問し、答申に基づいて理事会は改善措置などを指示することができる。

 Ⅶ.指針違反者に対する措置と説明責任

  1. 指針違反者に対する措置                                             本学会理事会は、別に定める規則により、本指針に違反する行為に関して審議する権限を有しており、利益相反委員会に諮問し、答申を得たうえで、理事会で審議した結果、重大な指針違反があると判断した場合には、その違反の程度に応じて一定期間、次の措置の全てまたは一部を講ずることができる。                                               1) 本学会が開催するすべての学術集会・講演会での発表禁止                           2) 本学会の刊行物への論文掲載禁止                                    3) 本学会の学術集会・講演会の会長就任禁止                                        4) 本学会の理事会、委員会、作業部会への参加禁止                           5) 本学会の評議員の解任、あるいは評議員になることの禁止                               6) 本学会会員の資格停止、除名、あるいは入会の禁止                            指針違反者に対する措置が確定した場合、当該会員が所属する他の関連学会の長へ情報提供を行うことができる。
  2. 不服の申立                                                                被措置者は、本学会に対し不服申立をすることができる。本学会の理事長は、これを受理した場合、速やかに不服申立て審査委員会を設置して審査を委ね、その答申を理事会で協議したうえで、その結果を不服申立者に通知する。
  3. 説明責任  
    本学会は、自らが関与する場所で発表された医学研究の成果について、重大な本指針の違反があると判断した場合は、直ちに理事会の協議を経て社会に対する説明責任を果たさねばならない。

 Ⅷ.細則の制定
本学会は、本指針を運用するために必要な細則を制定することができる。
 

Ⅸ.指針の改正
本指針は、社会的要因や産学連携に関する法令の改正、整備ならびに医療および研究をめぐる諸条件に適合させるためには、定期的に見直しを行い、改正することができる。本指針や細則の改正にあたっては、適宜、本学会と関係の深い日本小児科学会および日本アレルギー学会と協議することができる。

 Ⅹ.施行日
1.本指針は2011年10月30日より施行する。

 2.本指針は2013年6月5日に改訂し、2013年10月30日より施行する。

 日本小児アレルギー学会「医学研究の利益相反(COI)に関する指針」施行細則

   日本小児アレルギー学会(以下、本学会と略す)は会員などが医学研究を適切に実施するために「医学研究の利益相反に関する指針」(以下、指針と略す)を策定した。この指針に基づいて本学会会員などの利益相反状態を公正にマネージメントするために、「医学研究の利益相反に関する指針の細則」(以下、細則と略す)を次のとおり定める。

第1条 本学会講演会などにおける利益相反事項の申告 
第1項
   会員、非会員の別を問わず、本学会が主催する学術大会、講演会、市民公開講座などで医学研究に関する発表・講演を行う場合、筆頭発表者は、配偶者、一親等の親族、生計を共にする者も含めて、今回の演題発表に際して、医学研究に関連する企業や営利を目的とした団体との過去1年間における利益相反状態の有無を、抄録登録時に様式1により自己申告しなければならない。
   筆頭発表者は該当する利益相反状態について、発表スライドの最初(または演題・発表者などを紹介するスライドの次)に様式1-Aにより、あるいはポスターの最後に所定の様式1-Bにより開示するものとする。

第2項
   医学研究に関連する企業・法人組織、営利を目的とする団体とは、医学研究に関し次のような関係をもった企業・組織や団体とする。

  1. 医学研究を依頼し、または、共同で行った関係(有償無償を問わない)
  2. 医学研究において評価される療法・薬剤、機器などに関連して特許権などの権利を共有している関係
  3. 医学研究において使用される薬剤・機材などを無償もしくは特に有利な価格で提供している関係
  4. 医学研究について研究助成・寄付などをしている関係
  5. 医学研究において未承認の医薬品や医療器機などを提供している関係
  6. 寄付講座などのスポンサーとなっている関係

第3項
   発表演題に関連する「医学研究」とは、医療における疾病の予防法、診断法および治療法の改善、疾病原因および病態の理解ならびに患者の生活の質の向上を目的として実施される基礎的ならびに臨床的研究であって、人間を対象とするものをいう。人間を対象とする医学研究には、個人を特定できる人間由来の試料および個人を特定できるデータの研究を含むものとする。個人を特定できる試料またはデータに当たるかどうかは厚生労働省の「臨床研究に関する倫理指針」に定めるところによるものとする。

第2条 本学会機関誌などにおける届出事項の公表
日本小児アレルギー学会雑誌で発表(総説、原著論文など)を行う著者全員は、会員、非会員を問わず、発表内容が本細則第一条第2項に規定された企業・組織や団体との経済的な関係がある場合には、投稿時から遡って過去1年間における利益相反状態を投稿規定に定める「利益相反自己申告報告書」または「Disclosed Potential Conflict of Interest」(様式2-A 「利益相反自己申告書」あるいは様式2-B Conflict of Interest Disclosure Statement)を用いて事前に学会事務局へ届け出なければならない。corresponding authorは当該論文にかかる著者全員からのCOI状態に関する申告書を取りまとめて提出し、記載内容について道義的責任を負うことが求められる。この「利益相反自己申告書」または「Disclosed Potential Conflict of Interest」の記載内容は日本小児アレルギー学会雑誌の規定に従って、論文末尾、AcknowledgmentsまたはReferencesの前に掲載される。規定された利益相反状態がない場合は、「著者はこの論文に関連した利益相反状態にはない」または「No potential conflicts of interest were disclosed.」などの文言が同部分に記載される。投稿時に明らかにする利益相反状態は、「医学研究の利益相反に関する指針」に記載の申告すべき事項で定められたものを自己申告する。各々の開示すべき事項について、自己申告が必要な金額は第2条にしたがう。日本小児アレルギー学会雑誌以外の本学会刊行物での発表もこれに準じる。なお、届けられた「利益相反自己申告書」または「Disclosed Potential Conflict of Interest」は論文査読者には開示しない。

第3条 役員、委員長、委員などの利益相反申告書の提出
第1項
   本学会の役職者(理事長、理事、監事、評議員)、学術集会会長および次期以降の会長予定者、各種委員会委員長、特定の委員会(学会誌編集委員会、診療ガイドライン策定に関わる委員会、社会保険委員会、規約委員会、利益相反委員会など)の委員、作業部会委員、学会の従業員は、「医学研究の利益相反に関する指針」に記載の申告すべき事項について、就任時の前年度1年間における利益相反状態の有無を所定の様式3にしたがい、新就任時と、就任後は1年ごとに、利益相反自己申告書を理事会へ提出しなければならない。既に利益相反自己申告書を届けている場合には提出の必要はない。但し、利益相反の自己申告は、本学会が行う事業に関連する企業・法人組織、営利を目的とする団体に関わるものに限定する。

第2項
 各々の開示・公開すべき事項について、自己申告が必要な金額は、第4条で規定された基準額とし、様式3にしたがい、項目ごとに金額区分を明記する。様式3は就任時の前年度1年分を記入し、その算出期間を明示する。但し、役員などは、在任中に新たな利益相反状態が発生した場合には、8週以内に様式3を以て報告する義務を負うものとする。

第4条 利益相反自己申告の基準について
利益相反自己申告が必要な金額は、以下のごとく、各々の開示すべき事項について基準を定めるものとする。

  1. 医学研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とした団体(以下、企業・組織や団体という)の役員、顧問職については、1つの企業・組織や団体からの報酬額が年間100万円以上とする。
  2. 株式の保有については、1つの企業についての1年間の株式による利益(配当、売却益の総和)が100万円以上の場合、あるいは当該全株式の5%以上を所有する場合とする。
  3. 企業・組織や団体からの特許権使用料については、1つの権利使用料が年間100万円以上とする。
  4. 企業・組織や団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)については、一つの企業・団体からの年間の講演料が合計50万円以上とする。
  5. 企業・組織や団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料については、1つの企業・組織や団体からの年間の原稿料が合計50万円以上とする。
  6. 企業・組織や団体が提供する研究費については、一つの企業・団体から医学研究(受託研究費、共同研究費など)に対して支払われた総額が年間200万円以上とする。
  7. 企業・組織や団体が提供する奨学(奨励)寄付金については、1つの企業・組織や団体から、申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野)あるいは研究室の代表者に支払われた総額が年間200万円以上の場合とする。
  8. 寄付講座については、企業・組織や団体が提供する寄付講座に申告者らが所属している場合とする。
  9. その他、研究とは直接無関係な旅行、贈答品などの提供については、1つの企業・組織や団体から受けた総額が年間5万円以上とする。

 但し、6、7については、筆頭発表者個人か、筆頭発表者が所属する部局(講座、分野)あるいは研究室などへ、研究成果の発表に関連し、開示すべき利益相反関係にある企業や団体などからの研究経費、奨学寄付金などの提供があった場合に申告する必要がある。
上記の申告すべき項目のなかで、企業・法人組織・団体からの奨学寄附金の受け入れ先は、機関の長(学長か病院長)と講座・分野の長と大きく2つに分かれている。前者の場合、研究者個人との関わりはないと判断されがちだが、企業・法人組織・団体から機関の長を経由した形で奨学寄附金が発表者個人か、発表者が所属する部局(講座、分野)あるいは研究室へ配分されている場合にはその額を申告する必要がある。
次に,疑義が出やすい申告項目としては、企業からの寄附金などを非営利法人(例、NPO)や公益法人(例、財団)を介しての資金援助(受託研究費、研究助成費)が該当するが、同様に自己申告する必要がある。資金援助金が高額であればあるほど研究成果の客観性や公平性が損なわれている印象を第三者に与えやすいことから、社会からの疑念や疑義が生じないようにするためにも関連企業からの研究支援が間接的にあると想定される場合には自らCOI 自己申告をしておくことが望ましい。

第5条 利益相反自己申告書の取り扱い
第1項
 学会発表のための抄録登録時あるいは本学会雑誌への論文投稿時に提出される利益相反自己申告書は提出の日から2年間、理事長の監督下に法人の事務所で厳重に保管されなければならない。同様に、役員の任期を終了した者、委員委嘱の撤回が確定した者に関する利益相反情報の書類なども、最終の任期満了、あるいは委員の委嘱撤回の日から2年間、理事長の監督下に法人の事務所で厳重に保管されなければならない。2年間の期間を経過した者については、理事長の監督下において速やかに削除・廃棄される。但し、削除・廃棄することが適当でないと理事会が認めた場合には、必要な期間を定めて当該申告者の利益相反情報の削除・廃棄を保留できるものとする。学術集会などの会長(次期予定者を含む)に関する利益相反情報に関しても役員の場合と同様の扱いとする。

第2項
本学会の理事・関係役職者は、本細則にしたがい、提出された自己申告書をもとに、当該個人の利益相反状態の有無・程度を判断し、本学会としてその判断にしたがったマネージメントならびに措置を講ずる場合、当該個人の利益相反情報を随時利用できるものとする。しかし、利用目的に必要な限度を超えてはならず、また、上記の利用目的に照らし開示が必要とされる者以外の者に対して開示してはならない。

第3項
利益相反情報は、第5条第2項の場合を除き、原則として非公開とする。利益相反情報は、学会の活動、委員会の活動(附属の常設小委員会などの活動を含む)、臨時の委員会などの活動などに関して、本学会として社会的・道義的な説明責任を果たすために必要があるときは、理事会の協議を経て、必要な範囲で本学会の内外に開示もしくは公表することができる。但し、当該問題を取り扱う特定の理事に委嘱して、利益相反委員会などの助言のもとにその決定をさせることを妨げない。この場合、開示もしくは公開される利益相反情報の当事者は、理事会もしくは決定を委嘱された理事に対して意見を述べることができる。但し、開示もしくは公表について緊急性があって意見を聞く余裕がないときは、その限りではない。

第4項
非会員から特定の会員を指名しての開示請求(法的請求も含めて)があった場合、妥当と思われる理由があれば、理事長からの諮問を受けて利益相反委員会が個人情報の保護の観点も含めて適切に対応する。しかし、利益相反委員会で対応できないと判断された場合には、理事長が指名する本学会会員若干名(必要に応じて外部委員を含む)により構成される利益相反調査委員会を設置して諮問する。利益相反調査委員会は開示請求書を受領してから30日以内に委員会を開催して可及的すみやかにその答申を行う。

第6条 利益相反委員会
理事長が指名する本学会会員若干名(必要に応じて外部委員を含む)により、利益相反委員会を構成し、委員長は委員の互選により選出する。利益相反委員会委員は知り得た会員の利益相反情報についての守秘義務を負う。利益相反委員会は、理事会などと連携して、利益相反ポリシーならびに本細則に定めるところにより、会員の利益相反状態が深刻な事態へと発展することを未然に防止するためのマネージメントと違反に対する対応を行う。委員にかかる利益相反事項の報告ならびに利益相反情報の取扱いについては、第5条の規定を準用する。

第7条 違反者に対する措置
第1項
本学会の機関誌(日本小児アレルギー学会雑誌)などで発表を行う著者、ならびに本学会講演会などの発表予定者によって提出された利益相反自己申告事項について、疑義もしくは社会的・道義的問題が発生した場合、本学会として社会的説明責任を果たすために利益相反委員会が十分な調査、ヒアリングなどを行ったうえで適切な措置を講ずる。深刻な利益相反状態があり、説明責任が果たせない場合には、理事長は、利益相反委員会の調査結果をもとに理事会で審議のうえ、当該発表予定者の学会発表や論文発表の差止めなどの措置を講じることができる。既に発表された後に疑義などの問題が発生した場合には、理事長は事実関係を調査し、違反があれば掲載論文の撤回などの措置を講じ、違反の内容が本学会の社会的信頼性を著しく損なう場合には、本学会の定款にしたがい、会員資格などに対する措置を講ずる。

第2項
 本学会の役員、各種委員会委員長、利益相反自己申告が課せられている委員およびそれらの候補者について、就任前あるいは就任後に申告された利益相反事項に問題があると指摘された場合には、利益相反委員会委員長は文書をもって理事長に報告し、理事長は速やかに理事会を開催し、理事会として当該指摘を承認するか否かを議決しなければならない。当該指摘が承認された時、役員および役員候補者にあっては退任し、また、その他の委員に対しては、当該委員および委員候補者と協議のうえ委嘱を撤回することができる。

第8条 不服申し立て
第1項:不服申し立て請求 
 第7条1項により、本学会事業での発表(学会機関誌、学術講演会など)に対して違反措置の決定通知を受けた者ならびに、第7条2項により役員の退任あるいは委員委嘱の撤回を受けた候補者は、当該結果に不服があるときは、理事会議決の結果の通知を受けた日から7日以内に、理事長宛ての不服申し立て審査請求書を学会事務局に提出することにより、審査請求をすることができる。審査請求書には、委員長が文書で示した撤回の理由に対する具体的な反論・反対意見を簡潔に記載するものとする。その場合、委員長に開示した情報に加えて異議理由の根拠となる関連情報を文書で示すことができる。

第2項:不服申し立て審査手続

  1. 不服申し立ての審査請求を受けた場合、理事長は速やかに利益相反不服申し立て審査委員会(以下、審査委員会という)を設置しなければならない。審査委員会は理事長が指名する本学会会員若干名(必要に応じて外部委員を含む)により構成され、委員長は委員の互選により選出する。利益相反委員会委員は審査委員会委員を兼ねることはできない。審査委員会は審査請求書を受領してから30日以内に委員会を開催してその審査を行う。
  2. 審査委員会は、当該不服申し立てにかかる利益相反委員会ならびに不服申し立て者から必要がある時は意見を聴取することができる。
  3. 審査委員会は、特別の事情がない限り、審査に関する第1回の委員会開催日から1ヶ月以内に不服申し立てに対する答申書をまとめ、理事長に提出する。
  4. 審査委員会の決定を持って最終とする。

第9条(細則の変更)
社会的要因や産学連携に関する法令の改変や、個々の事例によっては、本細則の一部に変更が必要となることが予想される。利益相反委員会は必要に応じて本細則の見直しのための審議を行い、理事会の決議を経て、細則を変更することができる。

附則

第1条(施行期日)
本細則は、2011年10月30日から2年間を試行期間とし、その後に完全実施とする。

第2条(本細則の改正)
 本細則は、社会的要因や産学連携に関する法令の改正、整備ならびに医療および臨床研究をめぐる諸条件の変化に適合させるために、原則として、数年ごとに見直しを行うこととする。

 1.本細則は、2013年6月5日に改正し、2013年10月30日より施行する。

第3条(役員などへの適用に関する特則)
 本細則施行のときに既に本学会役員などに就任している者については、本細則を準用して速やかに所要の報告などを行わせるものとする。 
 

  

利益相反自己申告書 様式一覧
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日本小児アレルギー学会筆頭発表者のCOI申告書(様式1)(word:46KB)
日本小児アレルギー学会発表者のCOI 申告書スライド(様式1-A,B,C,D)(PPT:170KB)
日本小児アレルギー学会誌:利益相反自己申告書(様式2-A)(45.5KB)
日本小児アレルギー学会Potential Conflict of Interest Disclosure Statement(様式2-B)(word:45.5KB)
日本小児アレルギー学会役員などの利益相反自己申告書(様式3)(word:153KB)

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