理事長挨拶
一般社団法人日本小児アレルギー学会
第2期理事長 吉原 重美
(獨協医科大学医学部小児科学 教授)
ご挨拶
この度、2021年11月13日付けで、日本小児アレルギー学会理事長に就任しました獨協医科大学小児科の吉原重美です。伝統ある本学会の理事長を務めさせていただくことは、大変光栄なことであると同時に本学会の歴史の重みと責任の大きさを痛感しています。
本学会は、1966年、小児のアレルギー疾患に対する医療と学術研究を推進、健康な小児の育成を目的に設立され、この目的達成に向けて、初代理事長の馬場実先生、続く、西間三馨先生、森川昭廣先生、近藤直実先生、藤澤隆夫先生の卓越したリーダーシップにより学術研究のみならず、医療、社会的サポートにおいて様々な分野で大きな社会貢献を果たしてきました。このようなすばらしい本学会を継承し、さらに発展させることができるよう、微力ながら誠心誠意努めて参ります。
学会の構成メンバーは、小児アレルギー疾患の治療・管理に関わる臨床医、病態解明と治療開発に関わる研究者(基礎医学、社会医学、疫学、臨床医学、心理学、看護学など)、子どもたちの包括的ケアに関わるコメディカルの方々ですが、患者団体や学校、行政とも緊密な連携をとりながら活動をしています。
会員数は発足当初の小児アレルギー研究会から日本小児アレルギー学会へと改称した翌年の1987年における1,137名から年々増加して、2021年10月20日現在、4,243名となっております。多くの会員の皆様におかれましては本学会の掲げる目的を達成するために、日々、診療、研究、患者ケアにご尽力され、その成果を日常診療や学術雑誌への報告で発揮されておられます。昨年からCOVID-19の流行により皆様も日々の対応に追われ、お忙しい毎日を送られていると拝察いたします。その中で年1回行われる学術集会はハイブリッドで開催しており、現地のみならずWebでもご参加頂き、多くの演者とディスカッションすることで、明日からのより良い診療にお役立ていただければ幸いです。
学会組織としましても、理事会、評議員会、総会に加えて、専門的に業務を推進するために各種委員会を設置して活動しています。編集委員会(会誌の編集発行)、気管支喘息委員会(気管支喘息に関わる問題の検討と小児気管支喘息治療・管理ガイドラインの発行)、食物アレルギー委員会(食物アレルギーに関わる問題の検討とガイドラインの発行)、研究推進委員会(臨床研究の推進)、疫学委員会(小児アレルギー疾患の全国疫学調査)、社会保険委員会、薬務委員会、規約委員会、国際交流委員会、利益相反委員会、倫理委員会、災害委員会、広報委員会、将来計画委員会、キャリア支援委員会、学術大会委員会をさらに充実させるとともに、小児適応新薬の軟膏や内服薬の効果や安全性など、小児に特化したアトピー性皮膚炎診療ガイドライン、自然経過を変える可能性のある舌下免疫療法の低年齢導入の意義、小児花粉関連食物アレルギー(PFAS)の増加などから小児アレルギー性鼻炎診療ガイドラインなど刻々と変化するアレルギー疾患治療、社会状況や小児アレルギーに関わる諸問題に迅速に対応するため、新たに各種委員会やワーキンググループ(WG)を設置して、会員の皆様へ最新の正しい情報をお伝えすると同時に社会的使命を果たすことも重要と考えております。
最後になりますが、会員の皆様の声を聴き、代議員、理事、各種委員会の先生方と密に連携をとりながら、アレルギー疾患で苦しむ子どもの明るい未来のために貢献できる有益な学会を目指し努力して参る所存です。皆様の温かいご指導、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上