■ 表13-1 症状惹起に関与する運動以外の要因
特定の食物摂取後の運動負荷に加え、複数の要因が発症に影響する。問診時に、表中の要因についても確認する。
■ 図13-1 原因食物と発症時の運動
原因食物は、小麦と甲殻類が多いが、果物や野菜の報告例が増加している。発症時の運動種目は、球技やランニングなど運動負荷の大きい種目が多い。その一方で、散歩や入浴中の発症例もある。
■ 図13-3 原因食物診断のフローチャート
詳細な問診や血液・皮膚検査結果より被疑食物を絞り込む。初回の誘発試験は「食物+運動負荷」で行い、その結果が陰性であった場合にアスピリンの前投薬を考慮する。それでも陰性であった場合は原因食物を見直す。誘発試験が陽性であった場合は、運動前の原因食物の摂取制限により、再発症のないことを確認する。
■ 表13-2 生活指導
運動2~4時間前の原因食物の摂取禁止を指導する。運動のみならず、原因食物+その他の誘因の組み合わせに関しても注意を促す。原因食物の完全除去や過剰な運動制限など不適切な指導により、患児のQOLを損なわないよう、注意する。頻回発症例や重症例には、アドレナリン自己注射薬を携帯させることが望ましい。